2008年2月25日

消すに消せない行政改革

次第にじり貧の理由は

日本の津々浦々まで伝わった大連立騒動も75日たって噂も消えた。噂は消えても福田内閣は進むわけだが、次第に前途が険しくなってきた。

発足時の福田内閣の支持率は、10月には44.1%、不支持は24.3%だった。11月の支持率は41.3%で不支持は31.3%、12月は支持40.1%、不支持34.2%。1月には34.5%、不支持率は39.8%、2月には32.5%、不支持率は43.2%になった。(すべて時事通信社)
2月の調査にはイージス艦の衝突事故の影響があるといわれるが、継続しての下落傾向はそれだけでは理由にならない。

イージス艦と漁船の衝突事故で、野党やテレビキャスターの「辞めることが事件の責任を取ること」という短絡的な思考が正しいものかどうかは明らかである。辞任を求める野党にたいして、「省の問題をよく知っている石破防衛相が、全責任を負って改革の先頭に立つことが必要」と辞める必要はないとした福田首相の立場が支持を下げたとは思えない。

改革を全面に出し圧倒的な支持率を保った小泉内閣を継ぎ、「私の内閣では..」を連発した安倍内閣は低迷を続け最後には自爆した。官邸メルマガに「公務員改革」「行政改革」を書いた安倍内閣だったが、渡辺喜美行革担当相の孤軍奮闘が目立つありさまで、本気で取り組む熱意は最後まで感じられなかった。

松岡元農水省の自殺との関係を取りざたされている官製談合の(独)緑資源機構は2007年12月に廃止になったが、ここは農水省の天下り先で理事には農水省OBが名を連ねていた。
2005年2月、林道を造るための費用対効果分析の計算データを林野庁が破棄していたことがわかった。これにより対象の林道がどのような理由で必要とされたかが明らかにできなくなり、担当者から「あの林道は作ると決まったんです。当時の計算では造ることでより大きな効果が出るとわかったのです」といわれても、それがどのような根拠だったか確かめることができなくなった。
長野オリンピックの招致問題でも、当時の会計記録が破棄された。インド洋の給油活動の航海日誌も破棄された。税法でも商法でも帳簿の保存期間が定めらているのに、「破棄」によって判断に必要な根拠を隠してしまうのは、行政担当者の自己保身のデフォルトになっているようにもみえる。

同じく2月、道路整備中期計画で建設を決めた2900kmのうち3分の2にあたる約1850kmが、国土開発幹線自動車道建設会議の審議を経ず建設できることが明らかになった。国道を高速道路の規格で着工し、完成後に高速道路に格上げする予定の道路も450kmあり、すでに一部は建設が始まっている。
国道なら国交省が誰を気にすることなく作れる道路である。完成後に高速道路に格上しても建設当時の名目が国道なら国道として作れる。もちろん財源は税金である。平成19年度の予算では、一般歳入57.5兆円、特別会計362兆円(純計額175兆円)で、道路特定財源が5.6兆円ある。使いにくくてガラガラの無用の長物と思われている国道の地下の駐車場を全国14カ所に作るために国土交通省が使ったのが道路特定財源である。(財)「駐車場整備推進機構」が作った駐車場を管理・運営するが、これが国交省の天下り先なのは周知の事実である。職員用のマッサージチェアやカラオケを買ったのも道路特定財源である。どうも道路特定財源は国交省の「打ち出の小槌」のようで、こんな便利なものを手放そうとしないのは当然だろう。

改革はどうなった

福田首相が提案して一斉に抵抗が現れた「消費者庁」がそれを端的に示している。
「消費者庁」は、中国ギョウザ事件で縦割り行政の弊害、連携の不備が指摘され「消費者重視」として打ち出されたものだが、経済産業省、農林水産省、厚生労働省はまるで「省の死活問題」だというようにピリピリしている。甘利経産相の現体制の擁護、若林農水相の食品行政の実績強調にもナワバリ確保の意思が現れている。両氏とも今は担当大臣でも、1年前には省庁代表する立場ではなかったはずだ。それが大臣になったとたんにその省庁を擁護する発言を行う姿が奇異にみえるのだ。本人が心からそう思っているのか、官僚に言わされているのか、福田首相はそれに対してどう考えているのか知りたいところである。

公明党の冬柴氏でさえ国土交通大臣になった途端、国交省の擁護の立場に変わったように、不思議さ、あやしさが大臣にはある。「大臣対応最初の最初」「いうことを聞かないときの Q and A」「サルでもわかる大臣の使い方」などという官僚のマル秘マニュアルがあるのだろうか。
冬柴国交相は、暫定税率を10年後廃止すると言い出したが、10年後にどうなっているかは誰もわからない。自分の責任期間外に問題を先送りするのはまさに役人的発想で、見事に国交省に取り込まれてしまった印象がますます強くなる。

小泉首相が劇的な支持を得たのは、霞ヶ関をはじめとする官僚の怪しい行動が日本の不利益になると国民が感じていて、小泉首相がそれをまとめて解決するために奔走すると思ったからではないのだろうか。郵政選挙はまさに、その象徴に見えた。
安倍首相もそれを引き継ごうとしたが、官僚の抵抗と小泉首相が押さえ込んだ抵抗勢力の復活により、公務員改革、行政改革は浮いた存在になった。抵抗勢力が結集して誕生させた福田政権にどのような改革ができるのだろう。実効ある国家公務員制度改革ができるのだろうか。

人は敏感なもので、はっきり面と向かっていわれなくても、態度や言葉の端々で相手の評価をすることができる。「この人はやる気があるのかないのか」「できるのかできないのか」それを敏感に感じ取っているのが内閣支持率だと思えてならない。

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2008年2月10日

番外ページ / 辞意表明関係記事

辞意表明会見

11日4日夕方、小沢代表は辞任表明の記者会見を開く。

  • 「朝日新聞、日経新聞などを除き、ほとんどの報道機関が政府・自民党の情報を垂れ流し、自ら世論操作の一翼を担っているとしか考えられない。私を政治的に抹殺し、民主党のイメージを決定的にダウンさせることを意図した明白な誹謗(ひぼう)中傷報道だ」--小沢代表(産経)
  • 中傷報道に抗議する。党首会談に関する新聞、テレビ報道は、報道機関としての報道、論評、批判の域を大きく逸脱しており、強い憤りをもって抗議したい。--小沢代表(毎日)
  • 私の方から党首会談を呼びかけたとか、私が連立を持ちかけたとか、果ては今回の連立構想について「小沢首謀説」なるものまでが公然と報道されています。いずれも全く事実無根です。--小沢代表(毎日)
  • 朝日新聞、日経新聞等を除きほとんどの報道機関が政府・自民党の報道を垂れ流し、世論操作の一翼を担っているとしか考えられません。--小沢代表(毎日)
  • それにより私を政治的に抹殺し、民主党のイメージを徹底的にダウンさせることを意図した明白な誹謗(ひぼう)中傷報道で、強い憤りを感じる。--小沢代表(毎日)
  • 「特に3、4両日の報道は全く事実に反するものが目立つ」--小沢代表(毎日)
  • 私の方から会談を呼びかけたとか、私が連立を持ちかけたとか、果ては今回の連立構想について『小沢首謀説』なるものまでが、新聞、テレビで公然と報道されている」--小沢代表(毎日)
  • 「私には何の取材も取材の申し込みもありません。読売新聞の記事は『政府・与党』という表現だったかな? でも私の方には取材にきてないでしょ? 私の秘書なんかも全く取材を受けていない」--小沢代表/党本部の記者会見で読売記者に(産経)
  • 「まず先日申し上げたことでいえば、私は当事者の一方のはずですが、私には何の取材も、また取材の申し込みすらありませんでした。ですから読売新聞の記事は、政府与党と使っておったと、かのように関係者から聞いている。今、そういったかな?政府与党複数の関係者から」--小沢代表/党本部の記者会見で読売記者に(産経)
  • 「だけど、私ども、民主党のほうは含んでいないでしょ?私は一度も取材を受けたこともありませんし、私の秘書もまったく取材の申し込みも受けたことはないと、それはちょっと、公平ではないのではないかという意味で申し上げた。」--小沢代表/党本部の記者会見で読売記
    者に(産経)

辞意表明/慰留後---民主側記事


  • 「小沢さんは強いショックを受けた。辞意表明の引き金は、自分が指名した役員の造反だ」--西岡武夫参院議院運営委員長(毎日)
  • 「衆院選を小沢さんにやってもらうのがみんなの気持ちだ」--直嶋正行政調会長/4日午後(毎日)
  • 「昔なら、慰留など関係なく辞めるに違いない。彼のことが分からなくなったのは初めてかもしれない」--渡部恒三衆院議員/5日(産経)
  • 「期別懇談会が(小沢氏への不満が出て)炎上する恐れがある」--前原誠司副代表のグループの中心メンバー/6日(産経)
  • 「小沢代表は許せない。会見で選挙に勝てないと言った人間を大将にすることはあり得ない」--役員会メンバー/5日(朝日)
  • 「辞めると言っている人を何で引き留めないといけないのか」--菅グループの会合で/5日(読売)
  • 「連立入りが代表続投の条件になるのは絶対、駄目だ」--民主党幹部(毎日)
  • 「大連立を前提にして党内をまとめることは不可能」--鳩山幹事長/5日(朝日)
  • 「国民に責任を果たすためにも急いで結論を出さないといけない。小沢さんに代表にとどまって責任を果たしてもらうということだ」--岡田克也副代表/5日(朝日)
  • 「この前は言い過ぎちゃって反省している」--赤松広隆選対委員長/5日/役員会で大連立反対の口火を切ったことに(産経)
  • 「役員会で全会一致で慰留を確認したい」--民主党党幹部/5日(朝日)
  • 「われわれが熱意をもって復帰をお願いすれば、(小沢氏は)必ず戻って頂けると信じる」--山岡賢次国対委員長/4日NHK番組で(産経)
  • 「小沢氏に代わる突破力のある候補が見あたらない。代表交代のデメリットのほうが大きい」--民主党幹部(産経)

辞意表明/慰留後---自民党側記事


  • この混乱で民主党の
    支持率は10ポイントぐらい下がるはずだ。当然、衆院解散を迫る勢いもなくなるだろう」--自民党幹部(東京新聞)
  • 「小沢氏は民主党に残るのか、出るのか。出るとすれば、何人連れてくるのか」--公明党幹部(東京新聞)
  • 「誰が民主党から抜けて、どう取り込むかまで既に考えている」--自民党幹部(東京新聞)
  • -「小沢代表もね、やっぱり憂国の士としてああいう判断をされたんだろうと。しかし、それが受け入れられなかったというのは、とても残念だと、このようなことを伊吹幹事長、言っておられました」-福田首相/5日記者団に(日経)
  • 「やっぱり次の総選挙に勝てないと思ったのでしょう。菅さんや鳩山さんには次があるが、小沢さんには次しかない」--与党幹部/5日(朝日)
  • 「せっかくの敵失なのに、与党が足並みを乱れさせるのは得策ではない」--閣僚経験者/6日(産経)
  • 「何も不穏当な動きはありませんから…」--二階俊博総務会長/6日国会の廊下で公明党漆原良夫国対委員長に(産経)
  • 「事前に内容が表に出てしまうと話し合いもできないので、相手の立場もあり、みなさんに細やかにお話しできなかった」--福田首相/6日役員連絡会で(朝日)
  • 「自民党総裁と民主党代表が黙っていても幸せはない。膠着(こうちゃく)状態が続いていいのか。何かいい道を探さないといけないので、首相と小沢氏は阿吽(あうん)の呼吸で会った。2人とも立派だ」--森喜朗元首相/8日町村派総会で(産経)
  • 「なぜ小沢氏に涙を流させなくてはいけないんだ。38年間一生懸命やってきた小沢さんが謝る姿は見るに耐えなかった」--森喜朗元首相/8日町村派総会で(産経)
  • 「ねじれ国会は未知の領域であり、今までの常識が非常識で、非常識が常識だ。新しい時代の始まりだ」--中川秀直元幹事長/8日町村派総会で(産経)


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2008年2月2日

触らぬ「さる人」にたたりなし

主筆の呪文で、民主10のダメージ

11日4日夕方、小沢代表は辞任表明の記者会見を開く。
小沢代表は辞任の理由を「福田総理の求めによる2度の党首会談で、総理から要請のあった連立政権の樹立をめぐり政治的混乱が生じたことを受け、民主党内外に対するけじめとして民主党代表の職を辞することを決意し、本日、鳩山由紀夫幹事長に辞職願を提出し、執行部をはじめとして同僚議員の皆様に私の進退を委ねた」と切り出した。
そして、「特定の国の軍事作戦に日本は支援活動をしない」、「新テロ特措法案は連立できるなら成立にこだわらない」の2点を福田首相が確約したこと。参院選での民主党の公約が今のままでは実現できないこと。民主党はいまださまざまな面で力量が不足し政権担当能力に疑問をもたれている、政策協議を行いを司政に参加することで民主党の政権担当能力を示し、政権運営の実績を示すことが民主党政権実現への近道と考えていたことを明らかにする。

さらに、「党首会談に関しての新聞、テレビの報道が報道機関としての報道、論評、批判の域を大きく逸脱しており、私は強い憤りをもって厳重に抗議したい。特に11月3、4両日の報道は、まったく事実に反するものが目立つ。(中略)連立構想の小沢首謀説なるものまでが社会の公器を自称する新聞、テレビで公然と報道されている。いずれもまったくの事実無根だ」という、異例の「中傷報道に厳重に抗議する」コメントを発表し、「報道機関が政府・与党の宣伝機関と化したときの恐ろしさは、亡国の戦争へと突き進んだ昭和前半の歴史を見れば明らかだ。また自己の権力維持等のために、報道機関に対し、私や民主党に対する誹謗中傷の情報を流し続けている人たちは、良心に恥ずるべきところがないか、自分自身によくよく問うてみていただきたい。各種報道機関が1日も早く冷静で公正な報道に戻られるよう切望する。」と社会の公器である報道機関の暴走を批判する。

このコメントに対して、党首会談報道の記事数で他を圧倒した産經新聞が「足かけ20年「小沢時代」終わりの予感」、「『小沢時代』終わりの予感」のタイトルで「これでは、老獪な自民党の情報戦に負けるはずである。メディアを非難する前に、「なぜ大連立は失敗したのか」を深く反省しなければ、小沢氏の政治力は急速に衰えるだろう。」と乾正人政治部長が署名記事を載せる。続いて(政治的)死亡記事にも似た「『大胆かつ複雑』「成功と挫折」 小沢手法の軌跡」で、小沢代表の今までの歩みをとして報じ「これも「お国のため」の行動なのか、小沢氏の今後の動きが注目される」とまとめ、以後小沢代表の行動に疑問を投げかける記事を掲載する。「仲介人」渡辺主筆の読売は直接の論評を避けたが、後日「小沢氏は真実を語れ」と赤座弘一政治部長の「実に理解に苦しむ発言である。....」という署名記事で対抗する。
「中傷報道に抗議」に関する報道はいずれも単発で、「中傷報道」の内容について掘り下げる報道はなく霧散するように話題から消えた。フィクサーの暗躍については週刊誌的な記事のみとなり、朝日新聞11月10日社説「『大連立』仲介? 読売で真実を読みたい」、毎日新聞11月13日社説の「『党首会談工作』『さる人』の説明が聞きたい」、11月12日夕刊特集ワイド「前略−−渡辺恒雄様 「大連立」構想、生みの親ってうわさですが」で終幕となる。

朝日新聞11月10日社説「『大連立』仲介? 読売で真実を読みたい」要旨


  • 「さる人」から話を持ちかけられ、その人物の勧めで「代理人」と会い、党首会談が実現した。
  • 読売新聞を除く多くのメディアが、「さる人」とは読売新聞グループ本社会長で主筆の渡辺恒雄氏と報じている。
  • 首相と野党第1党の党首に、会談と「大連立」話を仲介したのは、報道機関のトップとして節度を越えている。
  • 8月16日付社説で読売新聞は「民主党も『政権責任』を分担せよ」と大連立を促した。
  • 新聞が政治の現況を論じ、進むべき道について信じるところを述べるのは言論機関として当然だ。
  • 政治家に会い意見を言うこともある。権力者に肉薄しふところに飛び込むのも取材手法だ。
  • だが目的は、主張を広め、事実を報道するためだ
  • 記者の主張の実現のために党首会談を働きかけたり、ひそかに舞台を整えるのは行きすぎだ。
  • 渡辺氏は以前新聞協会長を務めた日本の新聞界の重鎮だ。
  • 読売新聞1000万部の経営のみならず、社会への功績が評価され新聞協会から新聞文化賞を贈られた人物だ。
  • 敏腕の政治記者の経歴があり、中曽根元首相をはじめ政財界に幅広い人脈がある。
  • 渡辺氏の回顧録には、自らプレーヤーとして政治を動かしてきた経過がふんだんに書いてある。
  • 回想は政界裏話のおもしろさはあるが、取材対象と一体となり政治を動かす姿に違和感がある。
  • 事実を伝える記者が、裏では事実をつくる側に回っていては報道や論評の公正さが疑われる。
  • 政治記者が、政治家ら取材対象と一体になり似たようなことをしていると思われたら迷惑だ。
  • 読売新聞は、大連立を提案したのは小沢氏だったと大きく報じた。
  • 小沢代表が「事実無根」と抗議すると、政治部長の署名記事で「小沢氏は真実を語れ」と圧力をかけた。
  • 読売新聞が仲介者については報じないのはなぜか。
  • 真実に近い情報を握っているのは読売新聞だ。
  • 読者の知る権利に応えるために、読売新聞の真実の報道を期待する。

毎日新聞11月13日社説「『党首会談工作』『さる人』の説明が聞きたい」要旨


  • 大連立構想の真相は不透明だが国を治める権力の所在にかかわる重大問題だ。
  • 当事者の福田首相は当然のこと、「さる人」である仲介者も真実を語るべきだ。
  • 党首会談は、8月と10月の「さる人」からの接触、10月の代理人との接触ではじまった。
  • 読売新聞を除くほとんどのメディアが、読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長兼主筆が「さる人」だと報じている。
  • 渡辺氏が仲介をしたのなら、事実を紙面で明らかにすべきだ。
  • 8月16日付社説で読売新聞は「民主党も『政権責任』を分担せよ」と大連立を提唱した。
  • 党首会談後の11月5日付社説でも「小沢代表辞意 それでも大連立を目指すべきだ」を掲載した。
  • 社説で大連立を提言するのは一つの考えだ。
  • それを記者が政治家に説くことも、求められ助言をすることもありうる。
  • だが、新聞が権力者間の仲介役をかって出るのは、新聞の使命を超える。
  • 新聞が政治の権力づくりの当事者になれば、権力監視という重要な役割を果たせない。
  • 政治家のパイプ役になれば、報道の公正さを損なう。
  • 渡辺氏は業界の半世紀以上の功績で、今年度の「新聞文化賞」を日本新聞協会から受賞した。
  • 経営者としても政治記者としても評価ある人が、口をつぐんでいるのはおかしい。
  • 日本新聞協会の新聞倫理綱領には、「国民の『知る権利』は、あらゆる権力から独立したメディアが存在してはじめて保障される」「新聞はそれにもっともふさわしい担い手であり続けたい」と書かれている。
  • その新聞倫理綱領を作った時の新聞協会会長が、渡辺氏ではないか。

毎日新聞11月12日夕刊特集ワイド「前略−−渡辺恒雄様 「大連立」構想、生みの親ってうわさですが」要旨


  • 党首会談の仕掛人「さる人」は、読売新聞主筆のナベツネさんともっぱらだけど。
  • 初夏の頃訪ねた、読売新聞東京本社7階主筆室の大先輩記者のナベツネさんは、旧制高校のインテリ青年の面影を残すテレ屋さんだった。
  • 参院選が近づき、安倍首相のことを不安を持ちながら「彼の政治感覚は鋭い」と気を使ってたよね。
  • インタビューの間にかかった電話に「そんなことしたら政治生命なくなるぞ!」とすごんだのは怖かった。
  • 党首会談の黒幕はナベツネさんみたいだけどホントはどうなの。
  • そういえば読売は8月16日付の社説で大連立やれって書いてたよね。
  • 新聞は談論風発がいいよね。
  • でも新聞記者ってなんなの?
  • 取材して、書いて、読んでもらってその繰り返しだよね。
  • ナベツネさんも記者でしょ。墓碑銘にするって中曽根康弘さんが書いた「終生一記者を貫く 渡辺恒雄之碑」っての見せてくれたよね。
  • でも、「さる人」になって「大連立」政権樹立を作ろうと動いてるよね。
  • なら、もう記者じゃなくて政治動かす権力者そのものになっちゃってことね。
  • せっかくの墓碑銘は「81歳2ヶ月まで記者を貫く 渡辺恒雄之碑」になるなぁ。
  • とびきりのスクープを取るときゃ権力者の懐に飛び込まなきゃならないのはアリだよね。
  • 政治家から聞かれりゃアドバイスもするよね。
  • でも、距離は保たないとね。知ってるとは思うけど。
  • 1億火の玉に突っ走ったホントの大政翼賛会とは違うだろうけど、鳩山幹事長が大連立を「大政翼賛会」と怒ったのはそれほどショックだったんだよね。
  • おまけに選挙で選ばれたわけでもない言論人が超巨大与党を作っちゃ、ぞっとするなぁ。
  • まさか「俺もあと2,3年だ」と考えて、「ここで一発決めとくか」って思ってるのかなぁ。
  • 最後の著書だっていう「君命も受けざる所あり」の帯の「権力と時流に動ぜず わが内なる声に従う」ってこのことだったの。

  • 申し込んだけど、受けてもらえなかった。勝手に書いたけど墓場まで真相持ってかないでね。

どうも「さる人」は昔から日本の政治に介入してきたようだ。
この介入がなかったら、日本はもっと悪くなっていたのだろうか。それとも良くなっていたのだろうか。
投票率が低いとはいえ、選挙で選んだ代議士が別なところの思惑、利害で動いていたのでは、民主政治とはいえない。
ひょっとして、政治に無関心になるよう柔らかめの記事を提供するのが、読売新聞の主たる目的だろうか。
そして、読売新聞政治記者の別名は「仲介屋」「政治屋」になるのだろうか。

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