2007年8月11日

「アクトビラ」の始動とテレビ局凋落の始まり 2  生活に合わせたTV

「TVに合わせた生活」から「生活に合わせたTV」


米国では数年前から、インターネットとTVの録画機能を合わせたティーボ(TiVo)の利用で、自分の生活に合わせてTVを見る人々が増えている。TV局が流す番組でなく、ティーボに録画した番組を好きなときに見る生活である。ドラマをまとめてみたり、CMをカットしたり早見することは当たり前で、検索することを「ググる」というように、「今週のER、ティボっといて」のように使われるほど普及が広まっている。

ビデオ・オン・デマンド(VOD)


今までポータルサイトとしての紹介が多かったアクトビラだが、本命はVOD(ビデオ・オン・デマンド)である。VODは、現在の垂れ流し型のTV放映、CATVと異なり、いつでも見たい番組を頭から見ることができるサービスで、アクトビラでは、これをハイビジョン品質で視聴することができる。

VODは、1990年代に現れたが影が薄かった。米国では、1990年代後半に事業として現れたが、協力する映画会社が少なくコンテンツが確保できず失敗に終わった。日本に登場したのは2000年だが、当時のインターネット利用者は37%。当時の回線は、ダイアルアップ55%、ISDN約34%、ブロードバンド約7%(330万人)という環境だったため、ストリーミングに必要な回線容量が足りず有用なサービスとして定着しなかった。しかし、ブロードバンドの普及率は、2003年に利用者の48%(2,655万人)、2006年には65%(5,687万人)になった。(数字は総務省通信利用動向調査より抜粋) 2007年夏には、NTT東日本だけでFTTHの契約数が400万件を超えるなど、VOD向けのインフラストラクチャは急速に充実している。

当初、瞬く間に成長を進めるインターネットビジネスと比べ、製品の製造が必要でアクトビラは展開スピードが遅いことを揶揄されたが、ここにきて2008年度に予定されていたストリーミング放映を半年以上前倒しするなど展開のスピードを早めている。8月9日には290,000件程度だったGoogleの「アクトビラ」の検索結果も、8月13日には343,000件、14日には426,000件に増えた。注目度は以前よりずっと上がっている。

アクトビラは、いままでの「TVに合わせた生活」を「生活に合わせたTV」に変える。ようやくTVが、最近の生活形態に追いついたのである。

参考:8月12日。NHKの朝のニュースの中でインターネットテレビとしてアクトビラが紹介された。
インターネットでハイビジョンが見られるサービスと報じられたが、最初に現れたのは、よくあるポータルサイトと似た画面。しかし、後半の大型TV全画面で流れるハイビジョン画像は迫力があり、僧衣の下の鎧を見させられた感があった。説明に登場した松下電器産業の映像ディスプレイデバイス事業グループのマネージャーは「見たいときに見たいものを」を強調していた。

0 件のコメント: