2007年8月11日

「アクトビラ」の始動とテレビ局凋落の始まり 1  ハイビジョンVOD

2007年8月8日、「デジタルテレビに映像配信」という見出しで「アクトビラ」のニュースが朝日、読売、毎日、日経など全国紙と地方紙に載った。その2日後、「アクトビラ」に対応した「VIERA(ビエラ)」シリーズの記事が掲載された。8月以前に「アクトビラ」という言葉が記事になったのは3月のこと。じつに4ヶ月以上前のことである。
9月1日からの映像配信サービススタートを前に攻勢をかけ始めた「アクトビラ」とはなんだろう。

「アクトビラ」の生い立ち


2006年2月、松下電器産業、ソニー、シャープ、東芝、日立製作所の家電大手5社が、インターネットにブロードバンド接続したデジタルTV向けのポータルサイトを研究するワーキンググループ「DTVポータル検討ワーキンググループ」(DTP-WG)を発足させることを発表した。ポータルサイトに接続するデジタルTVの仕様を共通化し、普及を促す考えだという。

2006年6月、、松下電器産業、ソニー、シャープ、東芝、日立製作所の家電大手5社とソニーコミュニケーションネットワークが、デジタルテレビ向けポータルサービスを行う会社「テレビポータルサービス」を共同設立すると発表。資本金は10億円で、松下が35%、ソニーコミュニケーションネットワークが25%、ソニー、シャープ、東芝、日立製作所が各々10%ずつ出資する。新会社は、ポータルサービスと対応するデジタルTVの仕様の共通化、映像配信サービス(VOD)や、生活情報サービスを提供する事業者の参加を募る。

2006年10月、テレビポータルサービスは、テレビ向けポータルサービス「アクトビラ」を2007年2月に開始すること、2007年度中にテレビ向けのストリーミングVODを、2007年度にダウンロード蓄積型サービスをめざすこと発表した。

当時の反応は、すでにある Google、Yahoo!などの強力なネットワーク型のポータルサービスに対し、いまさらインターネットTVを作ってどうする、TV用のポータルを作ってどうするといった内容が多かった。

2007年2月、松下電器産業が「アクトビラ」内で、生活情報やカラオケが見られる「Panasonic TV スクエア」を開始。同社のビエラのほか、ソニーのブラビア、日本ビクターのエグゼも、インターネットに接続すればこれらのサービスを利用できるようになった。テレビポータルサービスに参加する大手家電メーカーは、最終的にはデジタルTVの70-80%をアクトビラ対応機種にしたいと意思表示をしたが、「アクトビラ」はネット対応テレビのリモコン操作で見られる新しいポータルサイトという見方が多かった。受動的な視聴形態を前提に、「TVのようなプッシュ型」のサービスとインターネットコンテンツの表示ができる装置と捉えられ、VODについてはあまり話題にならなかった。

2007年3月には、シャープの「AQUOS」の13機種、ソニーの「BRAVIA」に6機種が「アクトビラ」に対応、4月には、松下電器産業の「ビエラ」の10機種が対応になり、日本ビクターの対応機種も含めると、アクトビラ対応製品は66機種となった。
「アクトビラ」に関する報道は、TV、新聞に現れることはなく、もっぱら日経のIT、メディア関係の雑誌の記事に現れる程度。それも、iモードやEZweb、ワンセグやWiiと比較され、TV屋が考えたTVのためのポータルサイトとしてマイナーなイメージのの論調が多く、TV局を超えて映像配信事業を行う映像ポータルとしての記事はなかった。

2007年8月8日。テレビポータルサービスは、動画ストリーミング配信サービス「アクトビラ ビデオ」を9月1日から開始することを発表した。
発表の内容には、映像符号化方式はMPEG-2(アクトビラ ビデオ)とH.264(アクトビラ ビデオ・フル)。ビットレートはMPEG-2が2〜4Mbps、H.264が4〜8Mbpsを予定。9月1日から10月31日まではお試し期間で無料。それ以後は、無料コンテンツと有料コンテンツになる。料金は1本105円から。スタート時に用意するコンテンツは50本。11月1日からは約300本、2008年春までに1,000本をめざすとあった。

そう、インターネットの高速回線を接続するだけで、リモコン操作でいながらにして好きな映画を選び、大画面でDVDよりも綺麗なハイビジョン品質を映像を鑑賞できる環境「アクトビラ」が生まれたのである。

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