2007年10月15日

オンラインになって消えるもの

技術革新で過去の遺物になるものは

電球、電灯の登場で、人類は有史以来使っていた炎による灯りと別れをつげた。 そのときまで使っていた灯油は、用途をかえエネルギーとして生き残ったが、ランプとランプ屋さんは表舞台から姿を消したのだ。
一方、電気の世界で商いをはじめた松下電器の創始者松下幸之助さんは、1918年ごろ電灯につける二股ソケットを売り出して事業を拡大したのである。

ランプはシンプルな道具だから芯を伸ばし灯油を入れさえすれば使えるが、ちょっと古くなると使えなくなるのがプレーヤー。蓄音機はプレーヤーの仲間でも簡単構造なので直し直しながらでもSPレコードを聴くことができたが、レーザーディスクやVHDはそうはいかない。大概トレイが引っかかり始め、「はい残念でした!」という感じで使えなくなって、せっかく集めた映画は一巻の終わりになる。

逆に機械は元気でも、メディアがなくなって使えなくなるものもある。ベータを駆逐したVHSだが時は残酷で、技術の進歩により次第に店頭から消えつつある。デジタルビデオカメラもテープからディスクにメディアが変わり、DVCの売り場も次第に小さくなっている。テープがなくなれば機械の使い道はなくなる。Zip DiskやPDなどすでに気に留める人もいないだろう。万物流転、盛者必衰なのである。

IT関係で気になるのが、Seagateが今年末までにIDE HDDの供給を止めSATAに専念するという話。SeagateはMaxtorでもあり、赤字の日立も追従するだろうから、めぼしいIDE HDDがなくなる可能性ができてた。2.5インチは対象ではないらしいが、これも時間の問題だろう。SATAが出たときいつかはこうなるとわかっていたが、動いているPCのための対策が必要になってきた。といってもとりあえず買い置きしかできない。

「ブルーレイディスク 対 HD DVD」の勝者は何を得る

祗園精舎の鐘の声が鳴ってもならなくても、争いが消えることはない。
これからの技術として話題の次世代ディスクは、ソニーや松下、日立、三菱、シャープ、Apple、DEll、サムスン、TDK、ディズニー、ユニバーサル、20世紀FOXなどの「光ディスクの最終形」ブルーレイディスク陣営と、東芝とNEC、三洋電機、マイクロソフト、インテル、太陽誘電、リコー、帝人化成、パラマウントなどの、「次世代ディスクのスタンダード」HD DVD陣営の間で火花が散っている。どっちつかず/いいとこ狙いのコウモリ陣営は、ワーナーブラザース、富士通、三菱化学など。さらに、NECはHD DVDの副会長で幹事会員だが、NECエレクトロニクスはBlu-ray Discにも名を連ね、光ピックアップを作っている会計監査で幹事会員の三洋も双方に名前があるというややこしさだ。

サイトから得られる情報は、圧倒的にHD DVDの方が多い。深い内容ではないが消費者がまず最初に知りたい使い方や仕様、何がどう変わるかが明確になっていて、見ていると使ってみたくなるような楽しさがある。
一方Blu-rayのサイトは、ディスクの種類や容量さえわからない。どこにどんな情報があるのかわからない。同じような内容のぼかした書き方ではっきりせず、例えば「入手可能な規格書」も名称だけで規格は書いてない。リンクがあるわけでもない。タイトルが日本語で内容は英語記述というチグハグなページまである。いったい誰に見せるためのサイトなのだろう。

次世代ディスクは、東芝とソニーの間で一時は共通規格が合意されたが結局うまくいかなかった。
このまま2つの規格が進むと、見たい映画のために両方の規格のプレーヤーを揃える必要がでてくる。しかし、1990年代後半に登場したDVDがレンタル屋さんからVHDを追い出しように、いまのDVDも次世代ディスクもいずれそうなる時がくるのだ。
利用者そっちのけの覇権争いが長引き、さらに混沌として需要が喚起されなければ、次次世代製品の登場とオーバーラップする可能性さえある。最近は買い控えが顕著になってきている。強いニーズを持ち暫定商品を買う人はどのくらいいるのだろう。

一方、無為な争いはディスクを作る製造企業にもしわ寄せがでる。
カセットテープ、ビデオテープ、CD、DVDなど、いままでのメディアはほとんど全部普及期前までしかうまみがなかった。開発が終わってしばらくの間は利益がでるが、普及期以降はコスト競走がはじまって稼げない商品になってしまう。いつまでたっても離陸できず、飛び上がったと思ったら在庫の山になるのではやりきれない。今回は、さらにディスク以外にも消費者の選択肢があるのだ。

映画の予告編はビデオオンデマンド

HD DVD Promotion Groupのサイトでは、ハリーポッターやバットマンビギンズ、ワイルドスピードx3が迫力満点。こういうのをオンデマンドでどんどん流してくれれば楽しめそうだ。

実際、映画の予告編はすでにオンデマンドで見ることができる。
例えばトランスフォーマー/Transformersの米国版予告編は2005年の12月からここにあった。封切り前の映画でも、ここのリストにある予告編はオンデマンドで見ることができる。
ボーン・アルティメイタム/The Bourne Ultimatumも米国公開前から3種類の予告編が掲載されている。そこには、普通の動画のほか、480p、720p、1080pの予告編もある。720p以上ならHDTVの規格だから、ハイビジョンのビデオオンデマンドである。
2分20秒ちょっとの ボーン・アルティメイタムだと、ファイルサイズは480pが49MB、720pが86MB、1080pが191MBである。難点は再生スピードにダウンロードがついてこないこと。FTTHを使っても、海を渡る通信回線と先様のサーバーの都合でどこかにボトルネックができればダウンロードのスピードが落ちてしまう。
しかしボトルネックがなくなれば、(たぶん)スイスイHD DVが見られるのだ。

栄華は一瞬、うたかたの夢

次世代ディスクが必要な理由はなんだろう。
一番は、企業が稼げる新商品としての役割だ。しかし、消費者サイドは、「おー、DVDの5(6)倍の容量だ。こっちは10(12)倍もある! 助かるなぁ」と喜ぶのだろうか。
いままでは、パソコンの進化にあわせて扱うデータが、テキスト、画像、動画とサイズが大きくなってきたから手持ちのデータを楽にしまえるメディアの大容量化は歓迎された。
で、動画より大きいデータは何だろう。

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