民主の混乱と大変化の予感
しだいに党首会談の様子が明らかになる。会談を行った当事者は福田首相と小沢代表の2名だけだが、周辺からリークが始まる。もちろんすべてが事実とはいえず、憶測や目的のための意図的な情報も入っている。
会談前の様子についての記事
- 「もし、民主党がオーケーの返事を出したら、政策協議機関を設置して滞っている政策を中心に実行する」--福田首相/30日の会談後伊吹文明幹事長に(東京新聞)
- 「もし大連立との話がきたら、民主党の首相でなければ受けられない」--菅代表代行と鳩山由紀夫幹事長/党首会談の休憩の間に小沢氏にくぎを刺す。(スポニチ)
- 「離党だ」。--前原誠司副代表、枝野幸男、仙谷由人両元政調会長/30日の党首会談の後に集まり「大連立受諾」の場合の対応を協議し(スポニチ)
- 「ひょっとすると大連立の話が出るかもしれない。簡単に引き受けてはいけないが(受けるなら)首相を取るべきだ」--菅代表代行と鳩山由紀夫幹事長/党首会談の休憩の間に(毎日)
- 「今日の党首会談で憲法改正、中選挙区制、恒久法の3つが合意に向け大きく動く。完全な公明外しだ」との情報を流布。支持母体の創価学会までも「悪魔のシナリオだ」--公明党有力幹部/(産経)
2日の会談内容
- 首相は参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」の打開が必要として、小沢氏に連立政権樹立のための協議を打診した。(毎日)
- 新テロ対策特別措置法案への理解を求める福田首相に対し、小沢代表は従来通り反対の姿勢を表明。(産経)
- 「『派遣は国連決議に基づくものだけに限る』と決めて欲しい」と求めた。--小沢代表/(読売)
- 諄々(じゅんじゅん)と新テロ対策特別措置法案の意義、日米同盟の重要性を説いた。--福田首相(毎日)
- 小沢代表が自衛隊海外派遣に向けた恒久法制定を持ちかけると、福田首相は熱心に聞き入る。難解な「小沢理論」のため、会談中にもかかわらず、あちこちに電話で問い合わせをする。(産経)
- 「自衛隊派遣には原理原則が必要だ」と主張--小沢代表/首相の新テロ対策特別措置法案への協力要請に対し(読売)
- 恒久法について、国連決議を前提にしなければ自衛隊派遣ができないという考え方をメモに書いて首相に渡した。--小沢代表(毎日)
- 「国連決議だけの有無でいいのですか。相談させてほしい」--福田首相/(毎日)
- 内容の検討は、「内閣法制局に頼らない方がいい」などとも注文。--小沢代表/(読売)
- 「これでいいですよ」--福田首相/恒久法に関する国連決議原則について(毎日)
- 「じゃあ、これで(民主)党内を説得しますから」---小沢代表/恒久法に関して(毎日)
- 会談開始から1時間2分後、福田首相が中断を申し入れる。(産経)
- 「与党が納得するかどうか確認したい」--福田首相/休憩を取るために(読売)
- 首相の表情には何としても合意を取り付けたいとの強い意志がにじみ出ていた。(産経)
- 「決めてきます」--小沢代表/打診を受け常任委員長室を出る前(毎日)
- 「それさえ決めてくれれば、連立したい」と述べ、連立政権への参加を持ち出す。--小沢代表/休憩直前に(読売)
- 連立参加は、首相の方から要請した形とすることも小沢氏は求めた。--(読売)
- 「これで決める。(連立参加で)私が党内をまとめます」と明言---小沢代表(読売)
- 「大丈夫ですか」--福田首相(読売)
- 「絶対にまとめます」と重ねて強調。--小沢代表(読売)
- 「連立協議をするなら、国会を閉じなくてはいけない」--小沢代表(毎日)
- 「決めてきます」--小沢代表/連立政権提案を持ち帰る際(毎日)
- 「首相は『個別テーマを話し合い、その先で連立を考えたらどうか』と言ったが、小沢氏は『まず連立を組まないと党内がもたない』と強く主張した」--自民党幹部/5日(朝日)
- 「首相は『連立ができるなら新テロ対策特別措置法案成立にあえてこだわらない』と述べた」--小沢代表/記者会見で(読売)
- 「首相は2日の党首会談で『できれば成立させて欲しいが、連立政権ができるならこだわらない』と語った」--小沢代表/記者会見で給油新法について(日経)
- 「連立で党内を抑えられますか?」と福田首相--渡辺会長/6日の都内パーティーで(スポニチ)
- 「抑えてみせます」と小沢代表--渡辺会長/6日の都内パーティーで(スポニチ)
- 連立政権ができた場合、民主党に振り分けられる財務相など数々のポスト名までが飛び交った。--(毎日)
- 「最終的に政策協定を行い、そのうえで閣内に入る入らないという話が出てくる。手順だけはしっかり踏んで進めていきたいと(小沢氏に)申し上げていた」--福田首相/日午前の自民党役員連絡会で大連立構想について(毎日)
- 「政策協議機関をつくり、テロ対策特別措置法、消費税、社会保障、年金の問題などを片づける」--渡辺会長/12月22日放送の日本テレビの番組収録で(朝日)
- 「小沢さんは無任所の副総理。閣僚数を(自民党)10対(民主党)6対(公明党)1で、6の中には国土交通相、厚生労働相、農水相は入れてくれということで話はついていた」--渡辺会長/12月22日放送の日本テレビの番組収録で(朝日)
- 「自民党10、民主党6、公明党1」--渡辺会長/12月22日放送の日本テレビの番組収録で合意した閣僚配分について(朝日)
- 「6の中には国土交通相、厚生労働相、農相の3つは入れてくれ。自分は無任所の副総理で」--渡辺会長/12月22日放送の日本テレビの番組収録で小沢代表の要請として(朝日)
- 「(大連立は)当然対等だという話は伝えたようだが、何(閣僚ポスト)をよこせという話をしたわけではない」-鳩山由紀夫幹事長/8日TBSの番組で小沢氏から直接説明を受けたと(産経)
- 「(党首会談に)入ってない人の話をいろいろ問われても困る。いずれにしてもそのようなことではないということだけは、申し上げておきたい」--小沢代表/「渡辺氏が大連立は小沢氏が持ちかけたと話している」と聞かれ(朝日)
再会談後の民主党役員会
- 「首相から連立の申し入れがあった。協議に入れば農業政策など参院選の公約が実現できる。みんなの意見が聞きたい」--小沢代表(毎日)
- 「民主党として、最終的にどう決断していくのか、週明けに両院議員総会を開き、皆で決めたい」--小沢代表/(読売)
- 「政策協議をしていけば、参院選で掲げた公約を実現できる。ただし、本当の意味での政権交代ではない。国民がどう見るかも分からない」--小沢代表(東京新聞)
- 「大連立という流れの中に、政策協議がある」--小沢代表/(読売)
- 「(大連立は)あり得ない。大政翼賛会になってしまう」--民主党 枝野幸男元政調会長(読売)
- 「政権に入ることが目的なのではない。政権交代が目標だ」「大政翼賛会的で国民の反発を招く」--役員/民主党役員会(東京新聞)
- 「誠意あるご対応を頂きましたけど、結果としては(連立は)できませんと福田総理にお伝えしました」」--小沢代表/報道陣の取材に(毎日)
- 「誠意ある対応をしていただきましたが、結果として、のめません」--小沢代表/民主党本部八階の代表室で福田首相に電話(東京新聞)
フィクサーと仲間の援護射撃
11月3日。前日の民主党役員会の反対で大連立はついえたが、読売新聞は「党首会談 政策実現へ『大連立』に踏み出せ」と社説で激を飛ばす。社説の骨子は以下である。
・国会で法案が1本も通っていない。
・国益や国民生活のための政治責任が果たされていない。
・次回衆院選で与党が勝ってもねじれ現象は解決しない。
ねじれ現象は長ければ10年は続く。
・福田首相が提起した大連立は安定して政策を進めるシステムだ。
・小沢代表も政治の現状に危機感があるから党首会談に応じた。
・参院選勝利の勢いで民主がめざす政権交代は対立を増やし不毛を生む。
・責任政党なら大連立を考えろ。
・小選挙制度がネックと考えるのはおかしい。
政党同士が国益や国民生活の問題を総選挙で問えばよい。
・給油活動の早期再開が試金石だ。
恒久法制定も重要だ。
同日。自民党の加藤紘一元幹事長は都内での講演で、福田首相が提案した連立協議にふれ、次期衆院選の前後に政界再編の可能性があり今後も連立協議は続く状況にあるが、小選挙区制での政界再編は難しいことから、大連立のためには中選挙区制への復帰を検討すべきと強調した。増田寛也総務相も鹿児島県で、選挙制度が変わらないと大連立は難しいのではないかとは記者団に述べた。
自民党と民主党の大連立となれば、衆参両院で9割を超す議席を占める巨大与党の誕生になる。しかし小選挙区比例代表制のもとでは、両党が小選挙区で候補者を一本化することは難しい。衆議院の郵政選挙では、岐阜1区の野田聖子元郵政相と自民党公認の「刺客」佐藤ゆかり衆院議員の戦い、静岡7区で自民党県連の推薦を受けたが公認を得られなかった城内実前衆院議員と片山さつき氏の戦いなどは記憶に新しい。候補者調整に両党内で強い反発が出るのは当然で、選挙で争うことになれば協力関係を維持することは難しい。
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