2008年1月20日

板子一枚 下地獄

党首会談で投じられた「大連立協議」は大きな波紋を引き起こす。
大連立協議の提案は、持ち帰ってもその場で断っても小沢代表の判断に賛否が分かれるものだった。それにより民主党の分裂、小沢代表の分派の可能性まで浮かび上がり、民主党内は蜂の巣をつついたような騒ぎになる。

「結果として、のめません」の後---民主党側記事


  • 「役員会は政策協議に入ること自体が反対だという人が多数だった」--小沢代表/2日夜(産経)
  • 「連立協議を受けたかったに違いない。政権の中に入って意思を通す。かつての自自公連立の時と同じ発想だ」--。小沢氏の側近議員/2日夜(毎日)
  • 「こんな裏表のある人が今の政治で通用するか、はなはだ疑問だ」--仙谷由人元政調会長(毎日)
  • 「自民党に比べれば混乱していない。自民党の情報操作だ」--鳩山由紀夫幹事長(スポニチ)
  • 「連立政権に加われば民主党はガタガタになる。加わらないとその波紋で小沢氏に批判が出る。『王手飛車取り』のような(与党の)戦略だ。民主党に打撃がなかったとは言えない」--鳩山由紀夫幹事長(毎日)
  • 「参院選で民意を得て、その公約を実現しようとしている最中に自民党との連立政権を組めば『野合だ』との世論の批判を受け、衆院選にマイナスとなる。小沢氏はなぜ、こんな話を党内に持ち帰ったのか」--民主党内(読売)
  • 「(大連立は)あり得ない。大政翼賛会になってしまう」--枝野幸男・元政調会長/2日夜(読売)
  • 「ぶれたとしたら党首としては失格」--枝野幸男元政調会長/連立を呼びかけたなら(朝日)
  • 「若干、批判的だ。(民主党は)政権交代を目指すと言ってきて、これで連立を組むとしたら、大義は何なのか。大義なき連立は国民の信を受けられないだろう」--笹森清前連合会長(読売)
  • 「連立に加われば民主はガタガタになり、けり飛ばしても小沢批判が出る。相手は王手飛車取りのような戦略だった」--鳩山由紀夫幹事長/3日 京都府京田辺市での講演で(日経)
  • 「民主党は司令塔がなくなった。一気にバラバラになるかもしれんな。だれが飛び出すかわからない不安定な状況になった」--民主党閣僚経験者/4日(朝日)
  • 「小沢代表が大連立を持ちかけた事実はない。代表がうそをつくはずがない。自民党の情報操作だ」--鳩山由紀夫幹事長/3日 京都府内の講演(毎日)
  • 「小沢代表を中心に結束を固め、無用の不平不満が党内から出ることを極力避けなければならない」--鳩山由紀夫幹事長/3日 京都府内で記者団に(毎日)
  • 「(大連立は)当然対等だという話は伝えたようだが、何(閣僚ポスト)をよこせという話をしたわけではない」--鳩山由紀夫幹事長/8日TBSの番組で(産経)
  • 「渡辺恒雄(読売新聞グループ本社会長)氏ではないかな」--鳩山由紀夫幹事長/8日TBSの番組で首脳会談の仕掛け人について(産経)
  • 「私は読売新聞の渡辺主筆(から話があった)」--鳩山由紀夫幹事長/8日TBSの番組で「仲介者」について(朝日)
  • 「8月に渡辺主筆を中心とした懇談会で、ご自身から持論を伺った。私は『大連立で仲良くなって、選挙で敵になって戦うのは難しい』と否定的な見解を申し上げた」--鳩山由紀夫幹事長/8日TBSの番組出演後(朝日)
  • 「小沢氏が経過を説明した以上、首相も、仲介したといわれている元首相も説明すべきだ」--菅直人代表代行/8日フジテレビの番組で(日経)
  • 「固有名詞は代表から聞いていないが、一般的にいわれているのは渡辺恒雄(読売新聞グループ本社会長)氏、森喜朗元首相が(党首会談を)お膳立てした」--菅直人代表代行/8日フジテレビの番組で(日経)
  • 鳩山氏も8月21日に渡辺氏と会談し、大連立構想や中選挙区制度の復活を提案されたが、拒否したことを明らかにした。--鳩山幹事長/8日都内で記者団に(毎日)

「結果として、のめません」の後---自民党側記事


  • 「民主党の誰を閣僚にするのかが肝心だ」と言うと、大島理森国対委員長は「それは参院からだ」と応じた。--伊吹文明幹事長/党首会談後の役員会で(スポニチ)
  • 「交渉に臨む限りは党内の合意の上に対応するのが一般常識ではないか」--伊吹文明幹事長/党首会談後の二時間後小沢氏が拒否すると(スポニチ)
  • 「答えがこんなに早く出るとは思わなかった。しかも、ノーという答えが。意外であり、かつ残念だ」--町村信孝官房長官/党首会談後の二時間後小沢氏が拒否すると(東京新聞)
  • 小沢氏が提案をいったん持ち帰ったことで民主党内で疑心暗鬼が顕在化する--自民党参院幹部(スポニチ)
  • 首相提案について「分からない話だ」と繰り返す。--自民幹部党首会談後(スポーツ報知)
  • 連立の条件などに関しては「伊吹氏もわからない。(首相と小沢氏が)2人で話をされた。意味について正確に申し上げようがない」--公明党北側一雄幹事長/3日伊吹幹事長から首相が小沢代表に連立参加を打診したとの説明を受け(日経)
  • 「(2人だけの会談で)真相はやぶの中だが、民主党の小沢一郎代表も(提案に)乗ってきた話。小沢氏の方から言い始めたという説もある」--山崎拓前副総裁/3日大阪市のあいさつで(日経)
  • 「国民にとっては何がなんだかもっとわからない話だろう。政治不信につながりかねない」--亀井善太郎衆院議員/2日夜(朝日)
  • 「政治は結果も大事だが、過程も大事。まず連立では、違うのではないか。国民も納得できないだろう」--亀井善太郎衆院議員2日夜(朝日)
  • 「年金など一部に限った連立ならわかるが、大連立なら理念なき野合だ。国民無視も極まった印象だ」--山内康一衆院議員2日夜(朝日)
  • 会談が終わった後、普段は冷静な首相が『小沢さんを信用しています』と非常に強い語気で話された。小沢氏への期待感がすべて含まれた姿だったと思う--大島理森国対委員長/4日フジテレビ系報道番組で(産経)
  • 「なぜ党に判断を持ち帰ったのかと批判されるが、小沢氏は代表に就任する際『民主党は変わる』と話していた。昔の小沢氏なら(会談の場で)ノーというだろう。ごく当たり前のプロセスを経ただけだ」--山岡賢次国対委員長/フジテレビ系報道番組に大島理森両国対委員長と出演して(産経)
  • 「企業合併に失敗した会社は、会社が割れるか、社長が辞任するしかないんだよね…」--加藤紘一元幹事長(産経)
  • 10月30日の最初の党首会談を持ちかけたのも小沢氏の側--(読売)
  • 「民主党は党首が党内で調整をしないまま他党との話し合いに出てきた」--伊吹文明幹事長/4日大阪市の演説(日経/共同)
  • 「自民党は公明党とよく話をして福田首相を送り出した。与党の中では不協和音はなかったが、民主党の多くの諸君は理解していなかった」--伊吹文明幹事長/大阪市の演説(日経/共同)
  • 「小沢氏は現状では駄目だと自覚して党首会談に臨んだ。民主党議員の多くはそのことを理解していない」--伊吹文明幹事長/4日午前大阪市での街頭演説で/ほめ殺し作戦(東京新聞)
  • 「小沢さんは憂国の情を理解してもらえず、がっかりされたんじゃないかな」--伊吹文明幹事長/4日(朝日)
  • 「小沢氏は立派だ。首相と小沢氏が三度、計三時間話し合ったのは貴重だ」--大島理森国対委員長/NHK番組で/ほめ殺し作戦(東京新聞)
  • 「最初に仲介したのは読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長兼主筆ではないか」--自民党関係者/7日「さる人」について(毎日)
  • 民主党の提案拒否を受け「これで首相の責任が問われることになる」--自民中堅議員/党首会談後(スポーツ報知)
  • 福田首相は『小沢一郎代表がもっと民主党内をまとめきっていると思っていた。この後、小沢氏がどうなるのか心配だ』と話していた」--武部勤元幹事長/7日若手議員との勉強会「新しい風」で(産経)

業界識者の発言記事


  • 「小沢氏が会談の場で拒否せず、党に持ち帰ったことの方が不思議」--有馬晴海/政治評論家(サンスポ)
  • 「首相から連立協議を打診され、自分だけで決めずに党に持ち帰ったわけだから問題はない。民主はまだまだ力不足。大連立で半分ぐらい大臣を取り、政権交代が可能な政党に成熟させるつもりだったはず。党に迷惑を掛けたから辞職したとしているが、自分のレベルにない党役員に対し『やってられない』というのが本音だろう」有馬晴海/政治評論家(産経)
  • 「“壊し屋”の面が出た。民主には大打撃で次は勝てないだろう。選挙後には小沢さんが自民と小連立を組むこともあり得る」有馬晴海/政治評論家(産経)
  • 「小沢代表が(提案を)持ちかえった理由は、その場で断るより与党に与えるダメージが大きくなると思ったからではないか。自民党内はかき混ぜられるし、何より公明との間がぎくしゃくすることになるだろう」--岩井奉信日大教授[政治学](産経)
  • 「実現したらとんでもない。政治家は小選挙区制により二大政党制を積極的に進め、選挙を通じて有権者に政権選択させるようにしてきたのに、この期に及んで『大連立』というのは国民軽視もはなはだしい」---森田実氏/政治評論家(産経)
  • 「国民に選挙を通した政権交代を約束しながら、大連立という密室での取引はいけない。小沢氏は『けじめ』と繰り返したが、国民がこの公約違反を厳しく批判していることには気づいていないのではないか。さらに、福田首相との約束も守れずに党首として醜態をさらし、党議を経ない独断専行が党内にいろいろな憶測や疑心暗鬼を生み出した。(党役員会が連立協議をのまなかったのは)事実上の不信任であり辞職は当然と考える」---森田実氏/政治評論家(産経)
  • 「小沢代表が(提案を)持ちかえった理由は、その場で断るより与党に与えるダメージが大きくなると思ったからではないか。自民党内はかき混ぜられるし、何より公明との間がぎくしゃくすることになるだろう」--岩井奉信/日大教授 政治学(産経)
  • 「今の自民党では解散しても勝ち目がない。相手が小沢さんではだましもごまかしもきかず、政権運営に行き詰まった福田首相は「いっそのみ込んでしまえ」と一か八かの賭けに出たのだろう。夏の参院選に勝ち、次の総選挙で政権奪取を狙う小沢さんが提案をけったのは当然であり、国民の選択肢を確保する上でも大連立は取るべき道ではない。ただ、自民党が解散を先延ばしすれば民主党も失速しかねない。福田、小沢両氏の我慢比べはしばらく続くのではないか」--岩井奉信/日大法学部教授 政治学(毎日)
  • 「今回の小沢代表の動きは不可解。小選挙区制・二大政党制なのだから、衆参院のねじれで膠着(こうちゃく)状態になれば、総選挙で野党が政権交代を目指すのが筋だ。普通、大連立は、第3党がキャスチングボートを握るのを嫌い第1党と第2党が組むものだが、今回の大連立はそうとは思えず、よく考えた上での動きとは思えない」---橋爪大三郎/東工大教授 社会学(朝日)
  • 「民主党は政権担当能力を証明するために堂々と国会で論戦を続けていくべきだった。総選挙で負けたとしても、負けっぷりがよければその次にチャンスがあったはずだ。小沢代表の行動は、日本の政党政治はまだ未熟だという印象を国民に与えたのではないか」---橋爪大三郎/東工大教授 社会学(朝日)
  • 「大連立は、民主の公約が結果的に実現できればよかったかもしれないが、そうでなければ野合。だから反対した執行部の考え方も納得できる。だが、有権者にとっては、こういう形でぐらついている野党第一党の姿を見せつけられると幻滅させられる。発展途上、まだ若いという印象を持たざるを得ない。野党第一党がこんなダメージを受けたまま、総選挙を迎えることは、国にとっても有権者にとっても、いいことは何もない。笑っているのは自民だけだ」--高村薫/作家(産経)
  • 「2大政党のトップ同士が密室で大連立を話し合うこと自体、本来あってはならないこと。福田康夫首相は今月予定されるブッシュ米大統領との会談前に、ここまでやったとアリバイを作りたかったのだろう。小沢一郎代表は福田首相のメンツを考え打診を持ち帰ったのでは。連立をけったことで国民の理解を得られるし、福田首相と長時間話し合ったことで首相がどこまで困っているのか、腹の内も探れたはず。解散に向けて今後の政治スケジュールも読みやすくなる。小沢代表の優勢勝ちだろう」--浅川博忠/政治評論家(毎日)
  • 「浮かんでは消え、消えては浮かぶ必然的な流れで、今回は早過ぎた話で大きな波紋を広げたが、第1ラウンドではないだろうか」--岸井成格(毎日)

民主党内の騒ぎを余裕を持って見る自民党だが、この騒ぎにより政界のルールは「なんでもあり」に書き変わってしまった。17人の集団で参議院の政局が変わるように、30人の集団で衆議院を変られることまで思いが巡っていない。

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